前回、熱帯魚の稚魚の育て方についてご紹介しましたが、「そもそも繁殖に挑戦しやすい魚種は何?」「稚魚の餌としてよく聞くブラインシュリンプって何?」という声もいただきました。今回は、初心者でも繁殖にチャレンジしやすい熱帯魚と、稚魚育成の定番であるブラインシュリンプの孵化方法についてまとめます。
目次
繁殖に挑戦しやすい熱帯魚
熱帯魚の繁殖方法は魚種によって大きく異なりますが、以下の3種は比較的トラブルが少なく、初めての繁殖チャレンジにおすすめです。
- グッピー:卵ではなく稚魚をそのまま産む卵胎生魚。特別なペア形成の手順が不要で、オスメスを同じ水槽に入れておくだけで繁殖することが多く、繁殖の入門種として定番です。
- ラミレジィ:卵生で、オスメスがペアを作って卵を守る習性があります。相性の良いペアを見つけられれば、卵の世話から孵化まで観察できるのが魅力です。
- 卵生メダカ(ノトブランキウスなど):一般的なメダカとは異なり、乾季と雨季のある環境に適応した特殊な繁殖形態を持つグループです。卵が乾いた状態でも一定期間休眠できるため、ピートモスなどに産卵させて乾燥保存し、後から加水して孵化させる「卵の郵送・保存」が楽しめる点がユニークです。
日本産メダカの繁殖についてはメダカの飼い方の記事も参考にしてみてください。
グッピーとラミレジィは、実際にショップで購入して繁殖にチャレンジしやすい代表的な魚種です。
ブラインシュリンプとは何か
ブラインシュリンプ(アルテミア)は、塩湖などに生息する小さな甲殻類のプランクトンです。乾燥した卵(シスト)の状態で長期保存でき、必要なときに塩水に入れて孵化させれば、栄養価の高い生きた餌として使えるのが最大の特徴です。動きがあるため稚魚の食いつきが良く、多くの熱帯魚の稚魚にとって理想的なサイズと栄養バランスを持っています。
ブラインシュリンプの孵化方法
孵化自体は特別な設備がなくても可能ですが、専用の孵化器(ハッチャー)を使うと管理がぐっと楽になります。基本的な手順は次の通りです。
- ペットボトルや孵化器に、比重1.020前後になるよう塩(できれば人工海水の素)を溶かした塩水を作る
- ブラインシュリンプエッグスを塩水に対して小さじ1杯程度の目安で投入する
- エアレーションで常に水を攪拌し、水温26〜28℃を保つ
- 24〜36時間ほどで孵化するので、ライトを底面に当てて集まった幼生(ブラインシュリンプナウプリウス)だけを目の細かいネットですくい取る
- 真水で軽くすすいでから、稚魚の水槽に与える
孵化に失敗しやすいポイントは水温不足とエアレーション不足です。水温が低いと孵化までの時間が大幅に延びるので、ヒーターで保温できる環境を用意すると安定します。
おすすめの卵・孵化器具
ブラインシュリンプの卵と、専用の孵化器をセットで用意しておくと、繁殖に成功したときにすぐ稚魚の餌やりを始められます。
実践のポイントまとめ
- 初めての繁殖はグッピーやラミレジィなど、トラブルの少ない魚種から挑戦する
- 卵生メダカは卵の乾燥保存という独特の楽しみ方ができる
- ブラインシュリンプは乾燥卵を必要な分だけ孵化させて使う
- 孵化には塩水・エアレーション・26〜28℃の水温がポイント
- 専用孵化器を使うと管理の手間がぐっと減る
まとめ
繁殖に挑戦しやすい魚種を選び、ブラインシュリンプという心強い餌を準備しておけば、稚魚育成の成功率はぐっと上がります。稚魚の育て方と合わせて、ぜひ我が家の水槽での繁殖にチャレンジしてみてください。
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